僕が小学生の時、当時四歳だった弟が家の近くの道路で自転車事故に会い病院に運ばれた。僕も知らせを聞いてすぐに病院へ行くと、弟は顔右半分を打撲、目の奥を骨折、肺がつぶれ、脳挫傷の重傷と言われ、もっと大きな病院へと運ばれた。そこで、様々な検査と処置を受け、四日間入院したのち弟は退院することができた。弟の事故は僕にとっても大変な衝撃で、特に治療を要することなく退院できたことも驚きだったが、後で親から聞いた話に、また驚きだった。三つの病院を移動する際の救急車や四日間の入院治療費、食事代など、すべて０円で済んだということがまた驚きだった。
　このような事故で弟が助かったのも、迅速な対応で頑張ってくれた病院の方々のおかげであり、また費用の負担がなかったことは税金というものの存在があったからだと思った。そして、弟が運ばれた三つの病院はすべて公立病院であり、弟の無事をうれしく思うのと同時に公共サービスのありがたみを強く実感した。
　税金は病院などの他に、自分たちが普段使っている公共サービスやお年寄りのための介護サービスなど、多種多様な場面で活用されている。税金には一番身近に感じることができる消費税、自動車を保有する人が納める自動車税などがあり、普段おとなが吸っているタバコ、おいしそうに飲んでいるお酒にも税金が課せられている。
　その税金は、自分たち中学生の教育にも活用されている。例えば、いつも何気なく当たり前のように使っている教科書も大切なみんなの税金からまかなわれて購入されている。それは自分たち、中学生一人ひとりが平等に教育を受けられて未来の日本を担える大人になってほしいという願いが込められているからだ。僕はその思いにこたえられるように今、しっかりとした教育を受けられていることを感謝して毎日の学校生活を送っていきたいと思っている。
　僕には夢がある。その夢は建築士になるという夢だ。将来は、お客様の希望に沿った家を設計してお客様を笑顔にさせたい。日本に住んでいると平等に教育が受けられて、今の自分のように将来に夢や希望を持つことができる社会であると思う。自分がおとなになった時、この日本の子供たちが元気に育っていけるように、自分たちを守り、育ててきてくれた人々がいつまでも住みやすい国であるために、しっかり納税の意味や意義を考えて納税していきたいと思う。日本に生まれ育って平和に暮らせていることを両親、先生、地域の方々、そしてしっかり税金を納めてくださっている納税者の方々に感謝して生活していき、しっかり税というものの大切さを伝えていける立場になれるように頑張っていきたい。