ついに10月から消費税が10％になる。
　これは、1万円の買い物をしたら、1万千円支払わなければならないということであり、僕にとっては大問題だ。
　さらに、高い買い物をする大人たちにとっては、かなりの大問題だと思う。
　この消費税は、いったい何に使われているのだろう。
　僕は、今まで税金の使い道などに興味はなかったのだが、消費税が10％になろうとしている今、改めて自分の周りで消費税がどんな事に使われているのか考えてみる事にした。
　僕は、陸上部に入部しているが、時々、足の痛みで病院に通う事がある。
　診察を受け、レントゲンをとったり、湿布をもらったりして、たくさんのお金がかかっているはずなのに、税金が負担してくれるおかげで、医療費はいつも無料だ。
　高校生になるまで、医療費が無料だという事は、本当にありがたい事だと思う。
　また、以前、祖父が入院していた時も、僕以上に高額な医療費がかかったと思うが、それも税金が負担してくれた為、安心して入院することが出来たそうだ。
　祖父が病気で突然苦しみ出した時、いち速く駆けつけてくれた救急隊員の人たちの給料や救急車を購入する費用も税金から支払われている。
　もしも、これらの費用が、全額負担だったら、助かる命も助からないという事態が、あちこちで起こるだろう。
　税金は、僕らの命を守ってくれているのだ。
　命を守ると言えば、今年も各地で台風の被害が報告されているが、僕は去年の西日本豪雨の時、テレビで見た、自衛隊の人たちに感謝する、おじいさんの映像を思い出した。
　「自衛隊の人たちは炊き出して作った温かいご飯は食べないで、寝る所もないのが気の毒でねえ。どれだけ疲れてても、差し入れを受け取ってくれないんだよ。汗と泥まみれになって働きっぱなしで。税金泥棒って言ってごめんねって言ったら笑ってたよ。」
　おじいさんは、そう言って笑いながら、目に涙をためていた。
　災害時に命をかけて助けに来てくれる人たちの事を税金泥棒だなんて、絶対に言えない。
　払った税金は、誰かの役に立ち、誰かの払った税金は、自分のためになっているのだ。
　僕も将来、税金を支払う立ち場になったら、きちんと支払って、誰かの力になりたいと思う。
　また、たくさんの人たちが汗水流して支払っている税金を、無駄なく、どのように使って行くかを考えることも大事だと思う。
　消費税10％は痛いけれど、それで、安心な社会になるのなら、僕は10％に賛成だ。
　本当にこの国のためになる生きた税金になるように願い、支払おう。