私は予定日より一ヶ月近く早く生まれました。体重は2620グラムあり未熟児ではなかったのですが、体温が急激に低下し２日後には体重が11パーセント以上減少してしまいました。そのため、生まれたクリニックから県内の総合病院に転院することになりました。新生児の搬送には保育器や酸素ボンベなど特別な仕様の救急車が必要で、移送時の急変にも対応出来るように医者や看護師など合わせて4人もの大人が乗り込んでいました。そのため、車内にスペースはなく両親は自家用車で後から向かったそうです。
　総合病院ではNICU（新生児特定集中治療室）に入院し、24時間体制で見守ってもらいました。保育器の中で様々な機械に繋がれている私を見て両親は心配になったそうですが、新生児専門の医師が常駐し赤ちゃん３人につき一人以上の看護師さんが付いてケアしてくれている環境を見て安心出来たそうです。
　NICUの入院費は一日あたり約10万円かかり、私は２週間入院していたので単純計算でも140万円程かかったことになります。しかし、国民健康保険が適用され乳幼児医療費助成制度という税金を利用し、本来なら高額な医療費を両親はほぼ負担せずにすみました。
　私は今まで税金については学校で学んだことしか知らず、深く考えた事もなかったように思います。ですが、NICUに入院していた時の医療費が税金によって助けられた事を知りました。税金が自分にとって身近なものであり、また自分だけでなく社会にとっても大切なものであることを改めて感じました。
　私はその後大きな病気をすることなく、今健康に中学校生活を送っています。その時の事を聞いたり考える度に、感謝の気持ちでいっぱいになります。
　税により医療だけでなく様々な制度が充実していることによって、たくさんの人が助けられています。ですから、自分の利益や幸せだけを追求するのではなく、社会全体を支え合い助け合う気持ちを常に忘れてはいけないと思います。
　これらの事を心に留めて、これから税と向き合っていきたいと思います。私も将来きちんと税金を納め、支えられる側から支える側の大人になりたいです。今後、私が納める税金が誰かの力になると信じて。