税と聞いたとき、皆さんはどのようなことを思い浮かべるだろう。「なぜ払わなくてはならないんだ」「消費税が10%なんて高すぎる」など、税に対しての批判的なイメージを持っている人は決して少なくはないと思う。しかし私は違う。
　「税についての作文を書きましょう。」夏休みに入る前、授業で先生からこのような言葉を聞いたとき私が第一に思い浮かべたのは父の姿だった。私の父は救急救命士という仕事をしている。救急の現場で人の命を救う仕事だ。救急隊は24時間の交代制勤務で、どんなときでも救急要請があれば迅速に駆けつけなくてはならない。これだけ責任重大な役割を任せられていて、一度の出動だけでも、きっと膨大な費用を請求されるのだろうな。大多数の人はそう考えるだろう。しかし実際は、救急車や消防車などの救急車両要請にかかる利用者の費用は、なんと無料なのである。通報すれば、どんなときでも無料で駆けつけ、応急処置をして病院に運んでくれる。この一連の過程が、日本では当たり前になっている。しかし、世界を見渡してみると緊急車両の要請を有料としている国は多く存在する。それなのに、なぜ日本は救急車を無料で使用できるのか。 救急隊員の人件費や救急車の整備、ガソリン代などは一体どこから出るのだろうか。救急車が無料であることを知った当時、このような疑問を抱いた私は母に聞いてみた。すると、救急車にかかる費用は国民からの税金で賄われていると教えてくれた。そのことを知った私はその日から、父が救急救命士と言う職業に就いているということに対して誇らしく感じるようになった。なぜなら、国民全員から税金という名の「支持」を受けて職務を果たしている、そのように考えるようになったからだ。救急救命士や警察官などの公安系公務員は国民の生命を守るために働いている。そして国民はそれを支持して社会全体をより良くするために、税金を納めているのだ。
　税金は人々の生活を豊かにしたり、ときには命を救ったりする。私は、そんな税金がとても素晴らしいものだと思う。税金は私たちの暮らしに欠かせないものなのである。今の私は消費税ぐらいしか払えないが、社会人になったらしっかりと働き、税金を納め、国民全体が健康で豊かな生活を送れるような社会を作り上げていく一員になりたい。