目の前に広がる山々。深緑色の川。祖父母の家を訪れると広がっている風景だ。祖父と一緒に散歩をする道は豊かな森林に囲まれている。祖父母が住んでいる地域は私が住んでいる地域と比べて山や川が近くにあり、緑豊かな景色を楽しむことができる。私は、このような自然がどのようにして保全され、誰が守っているのかと疑問を抱き、調べてみることにした。
　群馬県の県土の3分の2は森林が占めている。豊かな水を育み、災害を防止するなど、私達の暮らしを支え、多くの恵みをもたらす森林は県民共有の財産である。県では、この大切な森林を育て、次世代に引き継いでいくために「ぐんま緑の県民税」を導入しているそうだ。私の祖父母が住んでいる地域の自然を守る取り組みはこの税によって支えられているようだ。しかし、今も森林を取り巻く課題は多くある。例えば、奥山などの森林の手入れ・整備不足。 また、 里山・平地林の管理放棄という課題も挙げられている。これにより、自然災害の増加、野生鳥獣による被害が生じている。これらの問題に対応するために群馬県では「ぐんま緑の県民税」を導入しているのだ。目標を達成すれば、豊かな水を育み、災害に強い森林を作ることができる。さらに、奥山や平地林などの森林環境を改善させることで私達の安心・安全な生活環境を創造させることもできる。
　私は今まで、税は支払う分が多いだけで、あまり私達にメリットはないと思っていた。それは、社会経験の少ない中学生の私が、税の重要さを理解できていなかったからだろう。しかし、「ぐんま緑の県民税」について知り、群馬県特有の財産を守るには、一人一人の信念ある行動、そして「税」と「自然」に対する関心が必要なんだと分かった。
　私は、思ってもいなかった税金の使われ方を知り、身近な税の使われ方にも興味を持ち、さらに調べた。
　中学校に通う私達に身近な税金の使われ方は、教科書が無償で提供されていることではないだろうか。毎年4月に各教科の教科書が配布される。裏面を見てみると、「税金によって無償で支給されています」と記載されている。これからの日本を担う私達への期待がこめられているそうだ。一冊あたり500円程度の教科書が各教科分、何冊も税金によって無償で支給されている。教科書も、建物も、通学路も、税金によって支給され、整備されている。さらに、公共施設や子供の医療費、予防接種などにも税金が使われている。普段何気なく使っているもの、触れているものほど多く税金が使われている。
　色々なことを調べていく上で、税についての知識を広げることは、社会全体を考えることになると分かった。まさに、税というものを通じて、社会が繋がっている。今後は自ら、税への知識を身に付けていきたいと思う。