税金。この言葉を聞いて、どんな印象を持つだろうか。
　世界の国々が「トランプ関税」で混乱し、先日の参議院選では消費税に関する公約を一つの目玉として各政党が演説していた。けれど、私の税金の印象は「実態がよく分からないけれど、何かしらの公共事業の為に支払わなければならない。」というあいまいなものだった。
　私は、どんな税金が自分の周りにあるのか気になり、財務省の資料から税金の種類を調べた。色々な種類の税金がある中で「固定資産税」の文字が目に入った。
　4月下旬頃に母がポストから封筒を取り出して、「今年もやってきたわね」と言っていたため、何が「やってきた」のか聞いたのだ。
　それは固定資産税の納付通知書で、その時土地や建物等の固定資産を所有している人が納税する事を私は知った。
　今回、改めて調べてみると固定資産税は地方税にあたり、固定資産が所在する市町村に納める税金だと分かった。戦後の復興や地方分権の流れで地方全体が地域の財源を確保するためにつくられたそうだ。
　この税は固定資産の価値を元に算定され、毎年4回の納期がある。納税された固定資産税は道路や学校、公共設備の整備や介護・福祉などの行政サービスに使われるという。
　ここで疑問に思ったことは「なぜ自分で土地や家を購入したあとも所有することによって、税金を支払うのか」ということだ。ふと父に疑問をぶつけてみると、父は笑って言った。
　　「本当だよなぁ。でも、固定資産税に関わらず、税金は払う義務がある。そうだ、以前は家の前の道は砂利道だっただろう？ 大雨でいつも砂利が流されて道がデコボコになってしまったのを、お父さんが平らにならしていたけど、市で舗装してくれた。それも税金をみんなが払っているからだよな。」
　私は、父の言葉を聞いて妙に納得した。こんな近くで、税金が使われていた。
　さらに調べていくと、固定資産は市町村が道路を作るなどにより、利便性や資産価値の向上の恩恵を受けていて、その為に資産に応じた税負担をするのだそうだ。
　固定資産税だけではなく、税金を納めることは、家族はもちろん、誰かのこれからのために、 みんなで社会を支えあう大切な仕組みなのだ。
　税金について、まだまだ知らない事がたくさんある。大人になって社会に出れば、私も納税者となり、日本の誰かを支える一人だ。
　これからは「実態がよく分からないもの」ではなく、「社会を支える税金」に、もっと目を向け、関心を持ちたいと思う。